「SREの求人を見かけるけど、インフラ運用しかやってきた自分に務まるのだろうか」——SRE 転職を検討中のインフラエンジニアなら、一度はそう感じたことがあるはずです。運営者ittiは転職エージェントを利用し、複数社から内定を得た経験があります。この記事では、その経験をもとにSREとインフラエンジニアの違いや年収相場をわかりやすく整理します。

  • SREとインフラエンジニアの仕事内容の違い
  • 未経験でも挑戦できるSRE求人の見分け方
  • インフラエンジニア時代からどれだけ年収が上がるのか

この3点が分かる内容です。

SREとは何か|インフラエンジニアとの違いを整理

「SREって結局インフラエンジニアと何が違うの?」と聞かれると、意外と答えに詰まる方も多いですよね。SRE(Site Reliability Engineering)はGoogleが提唱した考え方で、ソフトウェアエンジニアリングの手法を使ってシステムの信頼性を高める役割を指します。

インフラエンジニアが「稼働率(SLA)を守る運用保守」を軸にするのに対し、SREは信頼性指標「SLI/SLO」(ようするに、システムがどれだけ安定して動いているかを数値で管理する仕組み)をベースに、障害の恒久対応やデプロイの自動化まで踏み込むのが特徴です。似ているようで、評価される軸がはっきり違います。

インフラエンジニアとSREの違いインフラエンジニア・稼働率(SLA)を守る運用保守・手順書に沿った障害対応・サーバー/NW構築が中心・自動化は補助的な位置づけSRE・SLI/SLOで信頼性を数値管理・障害原因を恒久対応としてコード化・監視/デプロイの自動化が主業務・開発チームと信頼性を共同運用

同じ「障害対応」でも、インフラエンジニアは目の前の復旧が終着点になりがちですが、SREは「なぜ起きたか」「二度と起きないようにどう自動化するか」まで担当範囲に含まれます。この違いを理解しておくと、後述する職務経歴書の言い換えもぐっとやりやすくなります。

クラウド構築寄りのキャリアを検討している方は、クラウドエンジニアの転職市場|AWS経験と資格が年収に与える影響も比較の参考になります。

SREの主な仕事内容

  • SLI/SLO の設計・運用(信頼性の数値目標を決めて追いかける)
  • 監視・アラートの仕組みづくり(誤検知を減らし本当に必要な通知だけ残す)
  • 障害対応とポストモーテム(再発防止を仕組み化するところまでが仕事)
  • IaC (Infrastructure as Code)によるインフラ構築の自動化

インフラエンジニアの経験は決して無駄になりません。サーバー・ネットワーク・ミドルウェアの土地勘は、SREが信頼性を語るうえでの土台そのもの。むしろ現場の障害を数多く見てきた人ほど、SREとして評価されやすい素地があると言えます。

💡 ポイント SREはインフラエンジニアの発展形であり、評価軸がSLI/SLOという指標に変わる役割だと理解しておきましょう。

インフラエンジニアからSREへ、何が求められる?

「Pythonも書けないしTerraformも触ったことがない、それでも目指していいの?」という不安、分かります。結論からいうと、すべてを転職前に完璧にする必要はありませんが、最低限のラインは押さえておきたいところです。

SREで求められる主なスキル

  • 監視・自動化ツール(Prometheus、Datadog、Zabbix等の運用経験)
  • IaC(Terraform、Ansible等でのインフラのコード化経験)
  • スクリプト言語(Python、Go等での簡単な自動化スクリプトが書けること)
  • コンテナ・オーケストレーション(Docker、Kubernetesの基礎知識)

未経験からでも挑戦できるケースは実際にあります。マイナビ転職エンジニア求人サーチでは「第二新卒歓迎×SRE」といった絞り込み検索が可能で、間口を広げている企業が一定数存在することが分かります(出典:マイナビ転職エンジニア求人サーチ)。ただし、ここには注意点もあります。

「未経験歓迎」求人の落とし穴

未経験可の求人は、応募者数を増やすために間口を広げているだけで、実質は経験者を優先しているケースがあると指摘されています(出典:Geekly「未経験者の転職」コラム)。 → 見分け方は「必須スキル欄」の記載密度をチェックすること。Kubernetes・Terraform等の固有ツール名が必須条件に複数並んでいる求人は、実質経験者向けと考えたほうが無難です。

第二新卒からITエンジニアを目指すルートについては、第二新卒からITエンジニアになるには|未経験就職の最短ルートでも詳しく整理しています。

インフラエンジニアとして障害対応や監視業務に携わってきたなら、事前に埋めておきたいギャップは「自動化の実務経験」だけということも多いですよね。IaCとスクリプト言語の基礎さえ独学で補えば、書類選考の土俵には十分立てます。

💡 ポイント 未経験可求人は実在するが、必須スキル欄の記載密度で「実質経験者向け」かどうかを見極めることが重要です。

SREの年収相場|インフラエンジニアからどれだけ上がるか

ここは多くの読者が気になるところですよね。厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、インフラエンジニアを含む職種の平均年収は660万4,000円で、全産業平均の496万5,000円を上回る水準です(出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)。もちろん年代や地域によって差はありますが、インフラ・運用職全体としてはもともと高水準にある職種と言えます。

一方でSRE単体の年収データを見ると、もう少し高い水準が見えてきます。レバテックキャリアの求人データでは、SREの平均年収は約850万円です(2026年3月時点、出典:レバテックキャリア)。dodaのSRE求人では、560万〜1,200万円という幅広いレンジも見られます(出典:doda求人情報)。

表の見方

以下は複数の転職メディアの求人集計に基づく、経験年数別の年収レンジの目安です。あくまで目安であり、企業規模や事業内容によって上下します。
経験年数 年収レンジの目安
ジュニア(経験3年未満) 400万〜550万円
ミドル(経験3〜7年) 600万〜800万円
シニア(経験7年以上) 850万〜1,200万円

外資系IT企業では、SREの年収が1,000万〜1,500万円になるケースも珍しくないとされています(出典:project-comp.com)。

SREエンジニアの経験年数別年収レンジ0万円600万円1200万円ジュニア(3年未満)400〜550万円ミドル(3〜7年)600〜800万円シニア(7年以上)850〜1200万円

ここで気になるのが、インフラエンジニアからSREに転職した場合の年収の差分です。同じ経験年数で比較しても、SREとインフラエンジニアには年収差が生まれやすいと指摘されています。理由は、Kubernetes・Terraformの実務経験や障害対応の実績の有無です(出典:ap-tc.co.jp)。肩書きがSREに変わるだけで自動的に年収が上がるわけではなく、自動化と信頼性指標の運用スキルが差の実質的な要因という見方ができます。もちろん企業や個人の経験によって変わるため、参考値として捉えてください。

年収アップの交渉術については、ITエンジニアが年収を上げる転職術|ハイクラス求人の探し方と注意点も参考になります。

💡 ポイント SRE単体の年収相場は600万〜1,200万円が目安。インフラ時代からの上げ幅は自動化・信頼性運用のスキルで変わります。

SREへの転職を成功させる3つのステップ

「じゃあ実際何から始めればいいの?」という声にお応えして、ここからは具体的な行動ステップを整理します。

SRE転職までの3ステップ1独学で実績作りIaC・自動化を触ってみる2職務経歴書の言い換えインフラ経験をSRE向けに翻訳3エージェントに相談SREに強い担当者を探す

独学でアピールできる実績の作り方

実務経験がないと結局評価されないのでは、と思うかもしれませんが、個人開発でも十分アピール材料になります。

独学でも実績にしやすい取り組み

  • 自宅サーバーやクラウドの無料枠でTerraformを使ったインフラ構築を試す
  • 簡単な監視・通知スクリプトをPythonで書いてGitHubに公開する
  • 障害対応の振り返り(ポストモーテム)を自分の業務でも文書化する習慣をつける

こうした取り組みは、面接で「自分から信頼性を高める行動を取れる人材」だと示す材料になります。

職務経歴書でインフラ経験をSRE向けに言い換えるポイント

筆者itti自身、JACリクルートメントを利用して複数社から内定を得た経験がありますが、職務経歴書の添削では自分では気づけなかった「アピールの抜け」を指摘してもらえました。インフラエンジニアの経歴も、書き方ひとつで印象が大きく変わります。

例えば「サーバーの監視・保守を担当」という表現は、そのままでは埋もれてしまいます。「監視アラートの精度改善により誤検知を〇%削減」のように、信頼性への貢献を数値や動詞で示す書き方に言い換えるのがポイントです。障害対応の経験も「復旧対応した」で終わらせず、再発防止策まで書くのがコツです。「再発防止策を手順化・自動化した」まで書けると、SRE的な視点があることが伝わります。

職務経歴書全体の書き方は、職務経歴書の書き方完全ガイド|採用担当が見るポイントとテンプレートで詳しく解説しています。

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SRE求人に強い/実績のある転職エージェントの選び方

SREは母数の少ないニッチ職種のため、エージェント選びは「求人数の多さ」より「SRE・クラウド領域に強い担当者がいるか」が重要になります。

IT特化・高年収

TechClipsエージェント

★★★★☆ 4.6
ITエンジニア専門

求人件数:非公開求人多数

  • ITエンジニア専門で高年収・高待遇求人に強い
  • 技術領域に詳しいアドバイザーが在籍
  • notari運営で専門性が高い

SREのような技術特化職種の相談に強い。

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Geekly

★★★★☆ 4.5
IT/Web/ゲーム業界

求人件数:IT/Web特化求人多数

  • IT/Web/ゲーム業界専門の人材紹介
  • 技術トレンドに詳しい担当者が多い
  • スピード感のある選考対応

クラウド・インフラ領域の求人にも幅広く対応。

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TechGo(テックゴー)

★★★★☆ 4.5
ITハイクラス

求人件数:ハイクラス求人中心

  • ITハイクラス特化・MyVision運営
  • 年収交渉のサポートに強み
  • 専門職種のマッチング実績

ミドル〜シニア層のSRE転職に向く。

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運営者イチオシ

JACリクルートメント

★★★★☆ 4.7
ミドル・ハイクラス

求人件数:外資・グローバル求人も

  • ミドル・ハイクラス特化
  • 外資系企業の求人にも強い
  • SRE領域の転職事情を専門コラムで発信

筆者ittiも利用し複数社から内定を得たエージェント。

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筆者がJACリクルートメントを使った際、コンサルタントから「英語より、現場でどれだけ価値を出せるかを先に見られる」と言われたことがあります。技術職種でも、スキルの実務的な裏付けが評価の中心になるという点は共通していると感じます。

ITエンジニア向けの転職エージェント全体像は、ITエンジニア転職エージェントおすすめランキング|技術職に特化したサービスを徹底比較でも比較しています。

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💡 ポイント 独学での実績作り・職務経歴書の言い換え・SREに強いエージェント選びの3点を押さえれば、選考の土俵に立てます。

SRE転職でよくある疑問と不安

「まだ不安が残っている」という方も多いのではないでしょうか。ここではよくある質問をまとめました。

Q. オンコール対応はどれくらい大変ですか?

夜間・休日も社用携帯を携行するのが一般的です。対応できない予定がある日は、他メンバーとシフトを交代する運用が多いようです(出典:メルカリエンジニアリングブログ)。マイクロサービスの増加に伴い、オンコール対応がチャレンジングになっているという現場の声もあります(出典:Qiita)。事前に体制を確認しておくと安心です。

面接で確認しておきたいこと

  • オンコールのローテーション頻度(週1回か月1回かで負荷が大きく変わる)
  • 一次対応者と二次対応者の役割分担があるか
  • 障害対応後の代休や手当の制度があるか

Q. 文系出身でもSREを目指せますか?

出身学部よりも、監視・自動化ツールの実務経験や学習実績のほうが重視される傾向にあります。インフラエンジニアとしての実務経験があれば、出身学部はあまり関係ありません。

Q. 未経験でいきなり大手企業のSREは狙えますか?

いきなり大手の求人からではなく、まずは中堅企業やスタートアップのSRE・インフラ兼任ポジションで経験を積み、その後にキャリアアップする道筋のほうが現実的です。

💡 ポイント オンコール体制や評価軸は企業ごとに差が大きいため、面接で必ず確認しておきましょう。

まとめ

SREとインフラエンジニアは評価される指標が違うだけで、地続きのキャリアです。年収は経験年数やスキルによって600万〜1,200万円と幅がありますが、自動化・信頼性運用のスキルが差を生む要因になります。

まずは独学で小さな実績を作りつつ、職務経歴書の言い換えとSREに強いエージェントへの相談を並行して進めてみてください。焦らず一歩ずつ進めていけば、これまでのインフラ経験は必ず活きてきます。

この記事のまとめ

  • SREはインフラエンジニアの発展形で、SLI/SLOという信頼性指標が評価軸
  • 未経験可求人は実在するが、必須スキル欄の記載密度で実質を見極める
  • 年収は経験年数で600万〜1,200万円が目安。自動化スキルが差を生む