「スキルは伸びている実感があるのに、なぜか給料が上がらない」——20代のITエンジニアから、転職と年収についてこんな相談をよく聞きます。当サイトはエージェント利用経験のある運営者ittiが、公的データや業界の一次情報をもとに解説します。この記事でわかること。

  • 経験3年未満でも年収が上がる理由と市場の背景
  • SES・SIerの下請け構造から抜け出せるかどうかの判断基準
  • 20代のITエンジニアに合う転職エージェントの選び方

複雑に見える判断基準を、できるだけわかりやすく整理していきます。

IT人材の年代別平均年収(doda調べ)378万円20代499万円30代618万円40代685万円〜50代

このグラフの通り、IT業界は年齢とともに平均年収が右肩上がりになる構造です(出典:doda調べ)。もちろん個人差はありますが、20代のうちに動き方を変えるかどうかが、後の年収カーブに影響してきます。

①20代・経験3年未満でも年収が上がる理由

まだ3年も経っていないのに、転職なんて評価してもらえるのだろうか——そう感じますよね。ですが実は、20代・経験の浅い層こそ評価されやすい市場環境があります。

IT人材不足という追い風

  • 経済産業省の試算では、DX推進を背景に2030年までに最大80万人規模のIT人材不足が生じる可能性があるとされる(出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」)
  • 厚生労働省の調査でも、IT・デジタル人材の需給ギャップが継続的な課題として指摘されている(出典:厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」令和6年3月)
  • 30歳前後が「即戦力性」を求められ始める1つの区切りとされ、20代のうちは育成前提で採用されるケースが多い

なぜ経験年数より「何を担当してきたか」が重視されるのか

企業側が見ているのは在籍年数そのものではなく、どの工程を、どんな技術で担当してきたかという中身です。同じ3年でも、要件定義や設計に関わった経験があるかどうかで評価は大きく変わります。ようするに、指示された作業をこなすだけでなく、川上の工程にどれだけ関与してきたかが問われるということです。

たとえばセキュリティ のように需要が伸びている専門分野は、経験年数が浅くても実務での関わりが評価されやすい領域です。詳しくはセキュリティエンジニア転職ガイド|需要と年収のリアルでも解説しています。

💡 ポイント 20代は「育成前提」で見られやすく、経験年数より担当工程の中身が評価の決め手になる

②年収が上がらない人によくある3つの罠

同期や他業種の友人と比べて、自分だけ給料が上がっていない気がする——分かります、その焦りは自然な感覚です。年収が伸び悩む20代エンジニアには、共通するパターンがあります。

よくある3つのパターン

  1. SES・SIerの多重下請け構造から抜け出せていない
  2. 需要の低い技術や保守・運用業務にとどまっている
  3. 自分の市場価値を把握せず、比較検討をしないまま動いている(または動かずにいる)

SES・SIerの多重下請けから抜け出せていない

客先常駐で二次請け・三次請けの立場だと、単価の大部分が中間マージンとして抜かれる構造になりがちです。SESの中でずっと保守・運用だけで、これはエンジニアとしての経験と言えるのか、という不安の声も少なくありません。

需要の低い技術・比較検討不足という2つの落とし穴

保守運用に偏った業務だけでは、市場で評価されるスキルの幅が広がりにくいのも事実です。加えて、自分の市場価値を一度も査定してもらっていない人は、今の年収が適正かどうかの判断材料を持てていません。

💡 ポイント 多重下請け・停滞した技術領域・市場価値の未把握、この3つが年収が伸びない主な原因

③経験3年未満で動くべきかの判断基準

「今動いたら『すぐ辞める人』と思われないか」——そう身構えてしまう気持ち、よくわかります。この不安に、正面から答えていきます。結論から言うと、実務経験の見せ方次第で、3年未満でも十分評価されます

動けていないケース/動き出せているケース❌ 動けていない・多重下請けのまま常駐継続・保守運用ばかりで設計に不関与・市場価値を確認したことがない・「なんとなく不安」で動けない⭕ 動き出せている・元請け/自社開発に近い案件を検討・担当工程を職務経歴書で言語化・エージェントの査定で相場を把握・待つか動くかの基準を決めている

「早すぎる転職」と見なされないための見せ方

在籍期間の長さより、担当した業務範囲・使用技術・成果を具体的に語れるかがポイントです。「3年働いたけど、これって胸を張れる経験なのか自信がない」という方ほど、実は棚卸しをすると語れる経験が出てきます。

今のスキルセットで狙える年収レンジの目安

未経験からのIT転職では初任給320万〜380万円が相場で、3年間で100万〜150万円アップするのが一般的なペースとされます(出典:業界エージェント系メディアの傾向、doda調べの年代別データ)。特に2年目から3年目にかけて、上流工程に関わったかどうかで伸び方が変わりやすく、技術領域や個人の実績によっても差が出てきます。

待つべきか、今動くべきかの見極め方

判断の目安

  • 上流工程への関与が今後も見込めない → 今のうちに動く価値がある
  • 直近で設計・要件定義に関わる機会がある → 一度その経験を積んでから動く選択肢もある
  • 実務経験2〜3年目は、新卒に近いフレッシュさと社会人経験の両方が評価されやすい時期とされる

まだITエンジニアとしての実務経験自体がない、という段階の方は第二新卒からITエンジニアになる最短ルート3選も参考になります。

💡 ポイント 在籍年数より担当工程の言語化が鍵。上流工程に関わる見込みが薄いなら、今動く価値がある

転職しないで年収を上げる道はないのか

ここまで転職の話をしてきましたが、年収を上げる手段は転職だけではありません。転職活動は時間も気力も使いますし、環境が変わるリスクもあります。動く前に、今の場所でできることを一度確認しておくほうが結果的に納得できます。

社内で試せる3つのこと

転職の前に確認したいこと

  • 上流工程への異動を希望として出す:設計・要件定義の経験は市場価値に直結します。社内で積めるなら、転職せずに次の年収レンジに手が届きます
  • 資格取得の支援制度を確認する:AWS認定やLPICなどの受験料補助・報奨金制度がある会社は少なくありません。制度を知らずに使っていないケースが多いです
  • 評価制度の基準を上司に聞く:「何ができれば等級が上がるのか」を具体的に聞くと、昇給までの道筋が見えることがあります。基準が曖昧・説明できない会社なら、それ自体が転職を検討する材料になります

これらを試したうえで「この会社では無理だ」と分かったなら、転職の決断に迷いがなくなります。逆に道筋が見えたなら、転職のリスクを取らずに済みます。

転職活動をしても「転職しない」でいい

意外に思われるかもしれませんが、転職活動を進めた結果として今の会社に残る、という結論も十分にありです。

運営者の私自身、エージェントを使って複数の会社から内定をもらいながら、最終的にすべて辞退して今の職場に残りました。動いてみたことで自分の市場価値が具体的に分かり、今の会社に残る選択が「消去法」ではなく「選んだ結果」に変わったからです。

関連記事 複数社から内定をもらって、転職をやめた話運営者ittiの実体験を正直に書きます。転職活動は驚くほどうまくいったのに、最後の最後で決められなかった理由。全部辞退した日のこと。そこから学んだ「転 …

エージェントへの登録は転職の約束ではありません。「情報を集めて、比べたうえで決める」という使い方ができます。

💡 ポイント 年収を上げる手段は転職だけではない。社内でできることを確認してから動くと、どちらを選んでも納得できる

④20代エンジニアが年収を上げる転職の進め方

ここからは具体的な進め方です。「ハイクラスエージェントに登録しても相手にされないのでは」と不安になりますよね。ですが、実務経験3年未満でも実務経験があれば対象になるサービスは複数あります。

年収を上げる転職の4ステップ1市場価値を知る無料査定・スカウトで相場を把握2職歴を言語化担当工程・技術・成果を明文化3複数社を使い分け経験者向け×若手向けを併用4面接・内定へ年収交渉も相談しながら進める

まず自分の市場価値を知る

エージェントの無料査定やスカウト経由の年収提示は、今の実力が市場でどう評価されるかを知る手がかりになります。転職活動自体が初めてという方は転職初心者がやるべきこと7つ|何から始めるか迷ったらから始めると流れがつかみやすいはずです。

職務経歴書でアピールすべきポイント

自分では「当たり前」と思っている業務でも、担当工程・使用技術・数字で示せる成果を書き出すと、他者から見た評価が変わることがあります。書き方の具体例はITエンジニアの職務経歴書の書き方とスキルシートのコツで詳しく解説しています。

20代・若手向けIT特化エージェントの使い分け

実務経験3年未満の場合、「経験者向け」と「20代・若手向け」の両方に登録して比較するのが現実的です。

経験者向け・未経験向けの見分け方

  • 実務経験3年未満でも「実務経験あり」なら、経験者向けサービスの対象になることが多い
  • 完全未経験やSESで保守・運用のみだった場合は、20代・未経験寄りのサービスから検討するのが無難
  • 迷ったら両方に登録し、紹介される求人の質を比べてみるのが確実

ユニゾンキャリア

★★★★☆ 4.5
20代IT特化・首都圏/関西

求人件数:約10,000件

  • 20代の未経験〜若手支援に強い
  • 利用者の83%が年収アップの実績
  • 書類添削・面接対策まで完全無料

関東・関西中心の20代特化エージェント。20代・未経験向けのため、ハイクラス転職や地方求人には向かず、連絡頻度が高いという声もある。

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ウズウズIT

★★★★☆ 4.4
20代・未経験〜若手
  • 内定率86%・入社後定着率97%
  • 未経験からのIT転職に特化
  • 学習コースは30歳以下が対象

20代のIT未経験〜若手向け。連絡頻度が高く「しつこい」と感じる人がいる点、地方求人が少ない点は事前に確認を。

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TechGo(テックゴー)

★★★★☆ 4.3
ITハイクラス・経験者向け
  • MyVision運営のITハイクラス特化
  • 専門性の高い求人を多く保有
  • 専任アドバイザーが技術面まで理解

経験者専門のため未経験向け求人はない。地方求人は少なく首都圏中心である点に注意。

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Geekly(ギークリー)

★★★★☆ 4.4
IT/Web/ゲーム業界専門
  • IT/Web/ゲーム業界に特化
  • 専門アドバイザーが業界動向に精通
  • 自社開発・上流案件の求人も保有

IT・Web・ゲーム業界の経験者向けで、他業種への転職には使えない点は留意しておきたい。

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すでに経験を積んで次のステップを考え始めている方は、ITエンジニアが年収を上げる転職術と注意点もあわせて読んでみてください。

💡 ポイント 市場価値の把握・職務経歴書の言語化・複数エージェントの併用、この3ステップが年収アップの近道

⑤転職で失敗しないための注意点

「とにかく年収が上がればいい」——焦っているとつい、そう考えてしまいますよね。最後に、20代の転職でよくある失敗パターンを共有します。

年収だけで選ぶリスク

  • 目先の年収アップだけで決めると、技術的に成長が止まる環境に移ってしまうことがある
  • 未経験求人と経験者求人を混同すると、選考でミスマッチが起きやすい
  • 「経験3年未満だが実務経験はある」層向けの求人と、完全未経験向けの求人は条件が異なる

年収だけで選んで技術的成長が止まる罠

同じ年収でも、任される業務の幅は会社によって大きく違います。目先の金額だけでなく、数年後にどんなスキルが身につくかも比較検討することが大切です。もちろん人によって優先順位は違うので、自分に合うものを選んでください。

未経験求人と経験者求人を混同しない

TechGoやGeeklyのような経験者向けサービスは、完全未経験の方には求人を紹介できません。逆にウズウズITやユニゾンキャリアのような若手・未経験寄りのサービスに、経験者向けの高年収求人ばかりを期待するのもミスマッチのもとです。自分の状況に合うサービスを選ぶことが、遠回りを避けるコツです。

💡 ポイント 年収だけで選ばず、成長環境と求人の対象層の両方を確認することが失敗回避の鍵

まとめ

20代・経験3年未満でも、担当工程の言語化と市場価値の把握次第で年収は十分に上げられます。まずは無料査定で自分の相場を知り、職務経歴書を磨きながら、経験者向けと若手向けのエージェントを併用してみてください。焦らず、自分のペースで比較検討していきましょう。