「管理部門って未経験でも転職できるの?」「人事と経理、どっちを狙えばいい?」——そんな疑問を持って調べているあなたへ。
エージェント利用で複数社内定を得た経験のある当サイト運営者・ittiが、データと実体験をもとに解説します。
この記事でわかること:
- 人事・経理・法務それぞれの未経験採用の実態
- 年齢別・職種別の転職難易度と現実的なルート
- 資格の「取るべき順番」と取らなくていいケース
バックオフィスへの転職は「狭き門だが確実に存在する」——曖昧な希望論ではなく、数字と実例でわかりやすく整理していきます。
① 管理部門(バックオフィス)転職の全体像を把握しよう
まず「管理部門」という括りに何が含まれるかを整理します。同じバックオフィスでも、仕事の中身はかなり違います。「どれも似たようなもの」とざっくり捉えがちですよね——でも職種間には想像以上の差があります。
人事・経理・法務・総務、それぞれの仕事内容
| 職種 | 主な業務 | 特徴 |
|---|---|---|
| 人事 | 採用・労務管理・制度設計・研修 | 人と接する機会が多い・法改正対応が継続的に発生 |
| 経理 | 仕訳・月次決算・年次決算・税務申告 | 数字を扱う・期日ストレスが高め・リモート対応が進んでいる |
| 法務 | 契約書審査・コンプライアンス・訴訟対応 | 専門性が高い・年収水準が高め・未経験採用も実は多い |
| 総務 | 施設管理・備品調達・社内規定整備 | 守備範囲が広い・汎用性はあるが専門性が出にくい |
「総務は何でも屋」とよく言われますが、ようするに守備範囲が広すぎて「専門家」として転職市場で評価されにくいという面があります。キャリアチェンジで管理部門を狙うなら、人事・経理・法務のいずれかを明確に絞ることが先決です。
管理部門の求人動向——実際の市場データ
管理部門全体の求人倍率は2024年通年を通じて1倍を超えており、売り手市場(求職者が有利な状態)が続いています(出典:MS-Japan「2024年管理部門転職市場レポート」)。
ただし、数字だけ見て楽観視するのは禁物です。
- 2024年5〜7月→8〜10月:求人数は前期比101%(微増)
- 2025年2〜4月:前期比93%(やや減少)
景気・為替の先行き不透明感から、採用を慎重にする企業も増えています(出典:doda 管理部門中途採用市場レポート 2025年5月)。
管理部門の求人・年収の概況(2024〜2025年)
-
管理部門求人の想定年収平均:624万円
-
最多年収帯:400〜599万円(43.4%)
-
経理・財務のリモート対応求人:56.6%
(出典:MS-Japan 2024年転職市場レポート)
管理部門は平均的な転職市場より年収水準が高めです。
② 未経験から管理部門に転職できるか?正直に答えます
「未経験歓迎」という求人タイトルを見て期待した方は多いはずです。ですよね。ただ、現実はそう甘くありません。
「未経験OK」の落とし穴——3種類の未経験がある
「未経験可」の落とし穴
企業が想定する「未経験」には3つのレベルがある:
- 職種未経験:他業種・他職種の経験者(これが実質ターゲット)
- 業界未経験:他業界からの転職(企業規模・分野が違うだけ)
- ゼロ知識:経理や法務を一切学んだことがない状態
「未経験歓迎」の多くは①か②を想定。③は書類で落とされることが多い。
MS-Japanの調査によると、管理部門全体での未経験OK求人の割合は12.5% にとどまります(出典:MS-Japan 2024年転職市場レポート)。
約50社に応募して書類通過が8社——これはYahoo!知恵袋に投稿された26歳男性(ITエンジニア→人事・総務志望)の実例です。未経験可の求人に絞っても、これが現実です(出典:Yahoo!知恵袋)。
職種別「未経験歓迎」の実態
ここで注目のデータがあります。法務職の未経験採用割合は40.1% (出典:MS-Japan 転職が難しい理由)。
「法務=難関職」というイメージが一般的ですが、実際は意外と未経験採用が多い。理由は法務部門の慢性的な人手不足です。法学部卒・ビジネス実務法務検定3級程度の知識があれば、門が開いているケースがあります。
一方、経理は転職決定者の90.5% が簿記2級以上を保有しており(出典:MS-Japan 2024年転職市場レポート)、資格なしで未経験から入るハードルは高めです。
年齢と未経験転職の現実的な目安
(出典:ジャスネット、管理のミカタ)
- 20代後半まで:未経験でも「伸びしろ」評価で内定が出やすい
- 30代前半:キャリアチェンジと見てもらえる現実的な最後のタイミング
- 30代後半以降:即戦力期待が高まり、未経験では書類落ちがほとんど
- 40代:正社員・専門職での未経験転職は現実的に非常に厳しい
数値はMS-Japan「2024〜2025年転職市場レポート」、NO-LIMIT「法務年収解説(2025年)」をもとに作成。
③ 職種別キャリア戦略——人事・経理・法務を深掘り
管理部門と一口に言っても、職種によって狙い方がまったく違います。「どの職種から入ればいいか迷う」という声は多いですよね。ここからは職種ごとに転職戦略を整理します。
人事への転職——採用・労務・制度設計の違いを理解する
人事という職種は一枚岩ではありません。大きく3つに分かれます。
- 採用担当:求人票作成・面接・エージェント窓口。成果が見えやすく、営業経験者が転職しやすい
- 労務担当:給与計算・社会保険・勤怠管理。ミスが許されない正確さと法律知識が求められる
- 制度設計・HRBPなど:等級制度・評価制度の設計。経験5年以上・マネジメント経験者向け
未経験から入りやすいのは採用担当です。ただし、「採用しかできない人事」はキャリアの幅が狭いため、労務経験も積むことを視野に入れておくと後々活きます。
人事職の年収は企業規模で大きく変わります(出典:MS-Japan 人事求人年収調査2025)。
- 20代・非管理職:上場大企業575万円 / 未上場471万円
- 30代・管理職:上場大企業753万円 / 未上場720万円
- 40代・上級管理職:上場大企業912万円
「人事は給料が低い」というイメージは、中小企業だけを見たときのバイアスです。
経理への転職——簿記2級の効果と限界
経理転職に簿記2級は有効か?答えは「有効だが、それだけでは足りない」です。
前のセクションで触れた通り、転職決定者の90.5%が簿記2級以上を保有しており(出典:MS-Japan)、資格なしでの転職は入り口が非常に狭い。
一方で、簿記2級取得後の平均年収は経験3年以上で約550万円(出典:MS-Japan 2024年転職市場レポート)。未経験×簿記2級の初年度は20代で300〜400万円、30代で350〜450万円と、経験者より50〜100万円低めに設定される傾向があります(出典:ジャスネット事例)。
経理職 年収データ(転職市場・MS-Japan調査)
- 転職希望者の現年収(平均):533万円(中央値450万円)
- 転職決定者のオファー年収(平均):511万円(中央値462万円)
- リモートワーク対応求人:56.6%
(出典:MS-Japan プレスリリース 2024〜2025年)
転職後に年収が下がる人も一定数います。「アシスタント経理→月次決算→年次決算」とステップを踏んで実務経験を積むことで、段階的に年収を引き上げる計画が必要です。
法務への転職——「難関」のイメージは実は半分正解
法務は「法学部卒・司法試験経験者のみ」というイメージがありますが、実際はそうではありません。
MS-Japanの調査では法務職の未経験採用割合が40.1% という数字が出ています(出典:MS-Japan 転職が難しい理由)。これは経理や人事よりも比率が高い。
法務職の年収は年齢とともに大きく伸びる職種です(出典:NO-LIMIT 法務年収解説2025)。
- 平均年収:約594万円
- 30代:650万円
- 40代:795万円
- 50代:967万円
「ビジネス実務法務検定2級」「法学部卒」のいずれかがあれば、実務未経験でもアシスタント法務から入れる可能性があります。法務は3職種の中で「入口の広さ×長期的な年収の高さ」のバランスが良い職種です。
④ 取るべき資格の優先順位——迷ったらこの順番で
管理部門転職を考える人が最も迷うのが「どの資格から取るべきか」です。選択肢が多くて迷うんですよね。
資格取得の優先順位まとめ
- 経理を狙うなら:まず簿記2級(転職決定者の90.5%が保有)
- 人事を狙うなら:ビジネス実務法務より社労士の勉強が長期的に効く
- 法務を狙うなら:ビジネス実務法務検定2級(合格率40〜50%・3〜4ヶ月で取得可能)
- 全職種共通:Excel中〜上級スキル(VLOOKUPやピボットが「使える」レベル)
資格は「取れば転職できる」ではなく「入口を広げるツール」です。
「システムが使えること」よりも「業務フローが理解できること」のほうが面接では重視されます。大企業の経理ではSAP、人事ではWorkday・SmartHRなどのシステム名を職務経歴書に書けると、書類通過率が上がります。
⑤ 転職エージェントの使い分け方
管理部門への転職は、一般的な転職サイトよりも転職エージェントを使うほうが有利です。理由は求人の大半が非公開求人だからです。ですよね、サイトで探しても「なんかいい求人ないな」と感じる方も多いはず。
JACリクルートメントの特徴と向いている人
JACリクルートメントは管理部門のハイクラス転職に強みがあります。年収600万円以上 の求人が約96% を占め、企業側と求職者側を同一のキャリアコンサルタントが担当する「両面型」モデルが特徴です(出典:JACリクルートメント管理部門専門ページ)。
管理部門専門のキャリアコンサルタントが150名以上在籍しており、非公開求人は約75%。年収1,000万円超の求人も2.7万件以上あります。
向いている人:30〜50代の管理部門経験者でキャリアアップ・年収アップを狙う層。未経験段階での利用は、求人紹介数が少なくなるケースがあります。
リクルートエージェント・パソナキャリアの使い方
「まず市場価値を確認したい」「地方在住」「幅広く比較したい」という方は、求人数No.1のリクルートエージェントを並行して使うことをおすすめします。
未経験者でも一定数の求人を紹介してもらえる可能性があり、複数社の書類選考を並行して受けながらノウハウを積む戦略が取れます。
JACリクルートメント
求人件数:非公開求人約75%
- 管理部門専門CA150名以上
- 両面型で企業の内部情報を把握
- 年収1,000万超の求人2.7万件以上
管理部門経験者で年収アップ・キャリアアップを狙う30〜50代におすすめ。
無料で登録する →リクルートエージェント
求人件数:約60万件
- 非公開求人が全体の約80%
- 業界別専任アドバイザー
- 未経験〜ハイクラスまで幅広く対応
初めての転職・幅広く比較したい方に。管理部門未経験の方の第一歩としても使いやすい。
無料で登録する →パソナキャリア
求人件数:約3.8万件
- キャリアカウンセリングが丁寧
- 管理部門の女性向け求人も充実
- パソナグループの安心感
丁寧なサポートを受けながら転職活動を進めたい方向け。管理部門の女性求人に強み。
無料で登録する →⑥ 40代・製造業からの転職経験者として思うこと
少し個人的な話をさせてください。
私・ittiは40代前半で転職活動を行い、JACリクルートメントを利用して複数社から内定をもらった経験があります。製造業(機械加工)からの転職です。
「管理部門への転職は考えなかったのか」と問われると、選択肢に入れませんでした。理由は「資格もないし、40代では門が閉まっている」という思い込みがあったからです。
今の知識で振り返ると——法務の未経験採用が40.1%あること、人事も採用担当からなら入りやすいこと——は当時知らなかった情報でした。もし知っていたら、候補に入れていたかもしれません。
一方で、30代後半以降の未経験転職の現実が厳しいことも事実です。「知っていれば変わった」かどうかは、正直わかりません。ただ、選択肢の存在を知らないまま諦めるよりは、知ったうえで判断したほうがいい。それは確かです。
社内異動→転職という第3のルート
あまり語られない方法として、「現職の社内公募・部署異動でバックオフィスに異動してから転職」というルートがあります。
- 社内の経理・人事補助に異動 → 実務経験0→1を達成
- 転職市場では「実務1年以上」として評価される
- 社内リスクゼロで職種チェンジの第一歩を踏める
時間はかかりますが、30代後半以降で未経験転職が難しいと感じている人には現実的な選択肢です(出典:SOICO)。
まとめ——バックオフィスに向いている人の特徴
この記事のポイント振り返り
- 管理部門は売り手市場が続くが、未経験OK求人は全体の12.5%と狭き門
- 法務の未経験採用率40.1%は3職種の中で最も高い(意外な事実)
- 30代前半までが未経験転職の現実的なライン。30代後半以降は即戦力評価が前提
- 資格の優先順位:①簿記2級(経理)②社労士(人事)③ビジネス実務法務2級(法務)
- エージェントはJACリクルートメント(経験者)×リクルートエージェント(幅広く)の2本立てが定石
管理部門への転職は「狭い門」ですが、ゼロではありません。焦らず、まずはエージェントに現状を相談してみることが最初の一歩です。
バックオフィスに向いている人の特徴をまとめると:
- ミスを出さない正確さへのこだわりがある
- 「縁の下の力持ち」として組織を支えることに満足感を感じられる
- 法律・数字・制度の変化に自発的についていける学習姿勢がある
- 期日プレッシャーに比較的強い
転職活動は情報収集から始まります。気になるエージェントがあれば、まずは登録と初回面談から始めてみてください。