「人間関係が嫌で辞めたのに、面接でどう話せばいい?」

「正直に言ったら絶対落ちそうで、何て言えばいいか分からない…」

そんなふうに悩んでいませんか。気持ち、よくわかります。退職理由は転職活動の中でもとくに「本音と建前の間で揺れる」、答えにくい質問のひとつです。

この記事では、転職情報を発信しているittiが、以下の悩みをまとめて解決します。

  • 面接官が退職理由から何を見ているか
  • 絶対に言ってはいけないNGパターンと言い換え例
  • 人間関係・給与・体調など、ケース別の例文集

参考になるデータをひとつ。エン・ジャパンが2024年に実施した調査(対象5,168名)では、「本音の退職理由を会社に伝えなかった人が54%」という結果が出ています。それだけ多くの方が「どこまで話すべきか」で悩んでいるということです。

この記事を読み終えたとき、本音を隠しながらも信頼され、面接を通過できる伝え方の「型」がわかります。


① 採用担当者が退職理由を聞く「本当の意図」を知っておこう

「なんで退職理由なんて聞くの?」と感じたことがある方も多いはずです。正直なところ、面接官はただの興味本位で聞いているわけではありません。明確な目的があります。

採用担当者が確認する3つのポイント

リクルートエージェントの情報によると、面接担当者が退職理由から確認しようとしていることは主に以下の3点です。

  1. 定着性:同じ理由でまた辞めないか(再現性リスク)
  2. 課題対応姿勢:問題に直面したとき主体的に動いたか
  3. 価値観の一致:自社の文化・方針と合いそうか

ようするに「うちに来てもすぐ辞めない人か」を見ています。給与不満で辞めたとしても、伝え方しだいで「次でも不満を持ちそう」か「成長意欲がある人」か、正反対の印象を与えられます。

正直に話すべき?建前でいい?

「嘘はつきたくないけど本音もまずい」——これが多くの方の本音ではないでしょうか。

dodaの調査では、「労働時間・環境への不満」を本音の退職理由に挙げた人は26.7%いましたが、面接で実際に話した人はわずか14.6%でした。約半数が、キャリアアップや新しい挑戦という言葉に置き換えて答えていたわけです。

答えは「正直に、でも感情ではなく事実として伝える」ことです。「上司が嫌い」ではなく「チームの方向性と自分のキャリア観にギャップがあった」と、感情を排して事実ベースで話すことが大切です。もちろん、事実のすべてを語る必要はありません。

採用担当者はここを見ている

面接官は「何に不満だったか」ではなく「その状況でどう行動したか」と「次に何を求めているか」を見ています。退職理由は「過去の説明」ではなく「未来への意志表示」として伝えることが大切です。

ポイント:退職理由は「辞めた事実(2割)」より「次に向かう意志(8割)」で語るのが鉄則。


② 絶対NGな退職理由の言い方【悪い例文あり】

「この言い方は逆効果だったんだ」と知っておくだけで、面接での失敗を大幅に減らせます。

退職理由の言い方:NGとOKの比較❌ NGな言い方「上司のパワハラが原因で辞めました」「給料が低すぎたので転職します」「なんとなく違う仕事もやってみたくて」「会社に将来性がないと感じたので」▶ 感情的・曖昧・前向きな理由がない▶「また辞めそう」と思われてしまう▶ 深掘りされると答えられなくなる⭕ OKな言い方「チームの方針と自分のキャリア観にギャップがあり転職を決めました」「成果を正当に評価される環境でさらに貢献したいと思いました」「営業経験を活かし、マーケ領域にも踏み込める御社を志望しました」▶ 事実+前向きな転換でまとめる▶「未来志向の人材」として映る▶ 深掘りにも答えやすい構造

上の図を見てください。NGとOKは「何を言うか」ではなく「どこに焦点を当てるか」の違いです。

会社・上司への不満をそのまま話すのはNG

「前の会社は残業が100時間で、上司がまったくマネジメントできなくて、本当につらかったです」

気持ちはわかります。でもこの話し方は面接では逆効果です。理由は2つあります。まず「環境への不満が強すぎる人」と映ること。そして「問題があったとき、すぐ周囲のせいにする人」と見られることです。

同じ事実でも「組織の方針と自分のキャリア観の間にギャップがあり、主体的に解決を試みましたが難しいと判断しました」と伝えると、印象が大きく変わります。「感情」ではなく「判断プロセス」として話すのがポイントです。

注意:感情ワードは避ける

「最悪」「嫌い」「ひどかった」「もう限界でした」などの感情ワードは面接では完全にNGです。事実として述べても、感情が乗った言葉は「自己制御できない人」という印象を残します。

給与・待遇への不満だけを理由にするのもNG

マイナビ転職動向調査2026年版(2025年実績)では「給与が低かった」が転職理由の1位(23.2%)でした。それだけ多くの人が給与に不満を持って転職しています。

ただ「給料が低いから転職します」だけでは、面接官に「うちでも給料への不満が出たらまた辞めそう」と思われてしまいます。

給与への不満は「背景」として一言触れるにとどめ、「成果を適切に評価してもらえる環境でさらに大きく貢献したい」という未来の話に7〜8割を使うのがコツです。

「なんとなく」「飽きた」など曖昧な答えはNG

「なんとなく転職したくなって」「3年やってみたので飽きた感じがして」

これは面接で致命傷になりやすいパターンです。ようするに「自分のキャリアに真剣ではない人」という印象を与えてしまいます。

「具体的にどういう飽き方でしたか?」と深掘りされたとき、答えられずに沈黙になるリスクも高いです。曖昧な言葉は、答えをさらに詰められる要因を自分で作ることになります。

ポイント:NGのパターンに共通するのは「感情的」「曖昧」「未来志向がない」の3点。自分の答えがこの3要素に当てはまっていないか確認してみましょう。


③ 好印象につながる退職理由の伝え方【例文集】

「じゃあ具体的に何と言えばいいの?」という声が聞こえてきそうですね。ここでは、よくある退職理由をポジティブに伝えるパターンを例文つきで解説します。

① キャリアアップ・スキルアップを軸にした言い方

これはもっとも汎用性が高いパターンです。ただし、「具体性」がないと信頼されません。

NG例:「キャリアアップのために転職したいと思っています。」

OK例:「現職では営業として3年間、法人向けSaaSの提案を担当してきました。今後はマーケティング領域にも携わり、顧客獲得の上流から関われる環境を求めています。御社ではその両方を担える点に魅力を感じ、応募しました。」

現職での経験 → 転職でやりたいこと → なぜこの会社か、という3ステップで組み立てると説得力が増します。

② 人間関係トラブルを前向きに変換する例文

「人間関係が悪かった」は、面接で話すこと自体は問題ありません。感情を排した「事実の説明」と「前向きな展望」を添えれば、むしろ誠実さが伝わることもあります。

NG例:「上司と合わなくて、毎日つらかったです。もう限界でした。」

OK例:「部署の方針と自分のキャリア観にギャップがあり、社内での解消が難しいと判断しました。次のステップとして、より明確なキャリアパスが描ける環境で働きたいと考え、転職を決意しました。」

エン・ジャパン2024年調査(5,168名対象)によると、「本当の退職理由1位は人間関係(46%)」でした。面接官も「あるある」と思っています。だからこそ、丁寧に事実として伝えると誠実な印象につながります。

③ 給与不満をポジティブに言い換える例文

NG例:「給料が安すぎたので転職します。」

OK例:「現職では3年間で売上120%を達成してきましたが、評価制度の仕組み上、成果が報酬に反映されにくい状況が続いていました。自分の貢献が正当に評価される環境で、より大きく貢献したいと思い、転職を決めました。」

「給与が低い」という事実を「評価の透明性の問題」として言い換え、「成果を出せる人材」という自己PRにつなげるのがポイントです。

④ 体調・ライフイベント系の退職理由の伝え方

体調不良や家族の介護・出産などは、正直に話してOKです。

OK例:「家族の介護が必要な時期があり、いったん退職を選びました。現在は状況が落ち着き、フルタイムで働ける状態です。ブランクの期間中も資格取得やオンライン学習を続けており、スキルのアップデートには努めてきました。」

「現在は解決済みで就業に支障はない」という点を明確に伝えることが大切です。現状を正直に話した上で「前向きな展望」を添えると、面接官の不安を和らげられます。

例文を使うときのコツ

例文をそのまま暗記するより、「①事実 → ②自分のキャリア観 → ③転職先への期待」の3要素を自分の言葉でつなぐことを意識してください。暗記した答えは深掘りされると崩れやすいです。

ポイント:どんな退職理由も「過去2割:未来8割」の構成で語ると、前向きな印象を残せる。


④ 退職理由を組み立てる3つの鉄則

ここが記事の核心です。どんな退職理由にも使える「変換の型」をお伝えします。

退職理由を組み立てる3つの鉄則1ネガ→ポジ変換「嫌だった」を「〜したい」に変える感情→意志の言い換え2志望動機と一貫させる「辞めた理由」と「入りたい理由」を論理的につなぐ3具体性を盛り込む数字・エピソード・時期を入れてリアルさを出す

この3ステップが揃って初めて、面接官に「なるほど、この人は計画的に転職したんだな」と伝わります。

鉄則①:ネガ→ポジ変換の公式を使う

変換の基本公式はこうです。

「〇〇に不満があった(事実)→ そこで〇〇を試みた(行動)→ だから〇〇ができる環境に移りたい(未来)」

例:「評価制度に不満があった(事実)→ 改善提案の資料を上司に提出した(行動)→ 透明な評価制度がある御社でさらに貢献したい(未来)」

「行動」のパートがあるかないかで、面接官の反応が大きく変わります。「問題があっても動いた人」かどうかを見られているからです。

鉄則②:志望動機と一貫させる

退職理由と志望動機は「同じストーリーの表と裏」です。よくある矛盾の例を挙げます。

「残業が多すぎて辞めた」と言いながら「スピード感ある成長環境を求めています」と言うと、「残業OKなの?」と矛盾が生まれます。

退職理由を先に固めてから、それと一貫する志望動機を作る順番がおすすめです。「辞めた背景」と「入りたい理由」が論理的につながっていると、「この人はちゃんと考えている」という印象を面接官に与えられます。

鉄則③:具体的な経験・数字を盛り込む

「〇年間△△を担当し、〇〇という経験から転職を考えるようになりました」と時期・経験を入れると、一気にリアリティが増します。

リクルートの2024年10月調査によれば、20〜30代の離職経験者の54.8%が「充分なキャリア構築がされないと感じた」と回答しています。こうしたデータを引きながら「私もその一人でした」と話すのも、説得力を出す方法のひとつです。

ヒント:深掘り質問への備え方

「具体的にどんな問題でしたか?」と聞かれたとき、答えられる準備ができていますか?「いつ・どこで・誰と・何が起きて・自分がどう動いたか」を事前にメモしておくと、深掘り質問に強くなります。

ポイント:退職理由の型は「事実→行動→未来志向」の3段構成。これだけで合格ラインに達する答えが作れます。


⑤ よくある退職理由別・面接用例文まとめ

「自分のケースはどれに近いか」を確認して、テンプレートとして活用してください。

この例文の使い方

以下の例文はあくまでも「型」です。数字・具体的なエピソード・企業名などを自分のケースに差し替えることで、あなただけの説得力ある回答になります。そのままの暗記は逆効果になる場合があります。

人間関係の場合

「前職では、チームの雰囲気や意思決定の進め方に、自分のスタイルとのギャップを感じていました。上司への相談や役割の見直し提案もしましたが、構造的な解決は難しいと判断しました。新しい環境でのチャレンジを決め、御社の協調型の組織文化に魅力を感じ、志望しています。」

給与・待遇の場合

「現職では3年間、法人営業として売上120%を達成してきました。評価制度の仕組み上、成果が報酬に反映されにくい状況が続いており、自分の貢献が正当に評価される環境を求めて転職を決めました。御社の成果連動型の評価体系に共感しています。」

業務内容のミスマッチの場合

「入社当初の説明と実際の業務内容に差があり、希望していた〇〇領域とは異なる業務が中心となりました。自分の強みである〇〇を活かせる環境で挑戦したいと思い、御社に応募しました。」

会社の将来性への不安の場合

「業界全体の変化が速く、現職の主力事業での市場縮小が続いていました。自分のスキルをより成長が見込める領域で活かしたいと考え、特に〇〇事業を積極展開している御社に関心を持ちました。」

体調・家庭の事情の場合

「家族の体調面のサポートが必要な時期があり、いったん退職を選びました。現在は状況が落ち着き、フルタイムで働ける状態です。ブランク期間中も〇〇資格の取得やオンライン学習を続け、スキルのアップデートには努めてきました。」

ポイント:例文は「型」として使い、数字・経験・企業名を自分のケースに差し替えると説得力が格段に上がる。


⑥ 深掘り質問対策と短期離職の伝え方

ここは他の記事ではほとんど触れていない切り口です。「一般的な例文集は知っている、でも実際の面接では詰められる」という方にぜひ読んでほしいセクションです。

深掘り質問をSTAR法で乗り越えるS: 状況どんな環境・状況だったか例)チームの目標設定が不明確な状態が続いたT: 課題自分の役割・課題は何か例)リーダー補佐として課題整理を担当A: 行動実際にどう動いたか例)改善資料を作成し上司に改善提案R: 結果その行動でどうなったか例)構造的解決は難しいと判断し転職を決意

深掘り対策にはSTAR法(状況・課題・行動・結果)が最も効果的です。

深掘り質問「具体的には?」への対処法

「人間関係の問題があったと言いましたが、具体的にどんなことがありましたか?」

こう聞かれた瞬間、答えが詰まった経験はありませんか。多くの転職者が苦手とするパターンです。

対策は上図のSTAR法で準備しておくことです。

  • S(状況):どんな環境・状況だったか
  • T(タスク):自分の役割・課題は何だったか
  • A(行動):実際にどう動いたか
  • R(結果):その行動でどうなったか

例えば「(S)チームの目標設定が不明確で各自が方針を持てない状況でした。(T)私はリーダーの補佐として動いており、(A)課題整理の資料を作成して上司に改善提案をしました。(R)一時的に改善しましたが、組織全体の構造的な問題は解消されず、転職を決意しました。」

このように話すと「感情で辞めたのではなく、ちゃんと動いた上で判断した人」という印象になります。

短期離職(1年未満)の場合の伝え方

「1年未満で辞めたことを面接でどう話せばいいか分からない」という方は多いです。短期離職は面接で必ず突っ込まれるポイントです。取り繕っても逆効果になる場合が多いため、言い訳は避けましょう。

重要なのは「学んだこと・次への意志の強さ」を前面に出すことです。

OK例:「入社後に実際の業務を担当するなかで、求人票で説明されていた業務内容と実態に大きなギャップがあることがわかりました。自分のキャリアを考えたとき、このまま続けることが最善ではないと判断し、早期に転職を決断しました。御社については事前に十分リサーチし、業務内容・評価制度ともに確認した上で応募しています。」

「次は慎重に選んで来ている」という姿勢が伝わると、短期離職へのマイナス印象をある程度カバーできます。

現代的な退職理由(リモート廃止・副業禁止)の伝え方

「コロナ後にリモートワークが廃止されて辞めた」「副業を禁止されて辞めた」という現代的な退職理由も増えています。これは競合記事でほとんど扱われていないテーマです。

リモート廃止の場合:「リモート環境で成果を上げてきた中で、制度変更により通勤が必須となりました。自分のライフスタイルとの両立が難しくなり、リモートワークが可能な環境で引き続きパフォーマンスを発揮したいと考えています。」

制度の変化を「会社批判」ではなく「自分の働き方の話」として語るのがコツです。

退職代行を使って辞めた場合の注意点

近年、退職代行の認知度は74%に達しています(2024年調査)。退職代行を使って辞めた場合でも、面接では「一身上の都合で退職しました」とだけ伝えれば問題ありません。退職代行の利用自体を面接で開示する義務はありません。

ポイント:深掘りに備えるにはSTAR法で「状況→行動→結果」の流れを事前にメモして準備しておくのが最も効果的。


まとめ|退職理由は「過去」でなく「未来の意志」を語ろう

  • 採用担当者は「定着性」「課題対応力」「価値観の一致」の3点を退職理由から見ている
  • NGパターン:感情的な会社批判・給与不満のみ・曖昧な答えの3つ
  • OKパターン:事実+行動+未来志向の3段構成
  • 3つの鉄則:ネガ→ポジ変換 / 志望動機との一貫性 / 具体性
  • 深掘り対策:STAR法(状況・課題・行動・結果)で準備する

エン・ジャパンの調査では「54%が本音を伝えなかった」とあります。もちろん人によりますが、本音をそのまま話す必要はありません。大切なのは「嘘をつくこと」ではなく「正しく伝えること」。その技術をこの記事で少しでも掴んでもらえたなら、とても嬉しいです。

「退職理由の伝え方を一緒に考えてほしい」という方には、転職エージェントのアドバイザーへの相談がおすすめです。模擬面接で練習できるほか、企業ごとの面接傾向も教えてもらえます。気になる方は以下から無料で相談できます。

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まとめ:退職理由は「型」を使えば誰でも上手く伝えられる

退職理由に正解はありません。でも「型(事実→行動→未来志向)」を使えば、どんな理由でも好印象に伝えられます。まずは自分の退職理由を紙に書き出して、3段構成に当てはめてみましょう。それだけで面接の準備が大きく前進します。お疲れ様でした!あなたの転職をいつも応援しています。